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年金分割

あまり知られていない年金分割制度の内容

相手の年金が半分もらえるということではありません

誤解の多い年金分割制度これまでは「会社員の夫」と「専業主婦の妻」という夫婦が離婚した場合、厚生年金は年金保険料を支払ってきた夫がすべて受け取ることになり、妻は国民年金しか受けとることができませんでした。

特に熟年離婚の場合には、年齢的にも離婚後に妻が新たに働けないことも多く、国民年金しか収入がない苦しい経済状況に置かれることもありました。そこで夫の厚生年金も夫婦の共有財産であるという考え方に基づいて、平成19年に年金分割制度が導入されることとなりました。

年金分割は財産分与と同じ考え方に基づいてはいますが、原則夫婦で半分に分けられる財産分与とは違い相手の厚生年金の半分がもらえるというわけではありません。


分割の対象とされる年金とは

基礎年金や厚生年金基金などは対象になりません

年金分割の対象範囲年金分割制度は、「厚生年金」(平成27年10月までの旧共済年金を含む)について、結婚期間中に保険料を支払った部分に対応する年金を夫婦で分割する制度です。そのため「国民年金」や「国民年金基金」、「厚生年金基金」などは対象とはなりません。

また対象が「結婚期間中に保険料を支払った部分」だけであることは間違いやすいポイントです。もし相手の厚生年金額が高額であったとしても、それが結婚前に保険料を支払った期間に対応する年金であれば、分割により受け取ることはできません。また、結婚期間中ずっと自営業で厚生年金に加入していなかった場合などでは、分割の対象となる年金はありません。

むしろ自分が結婚前に会社員で厚生年金に加入していた場合などには、逆に自分の年金を分割しなければならない可能性もあります。また年金分割によって年金を受け取るためには、夫婦のそれぞれが年金受給資格を満たしていなければなりません。

保険料を納付した期間と免除期間・合算期間が25年(平成29年8月以降は10年に短縮)に満たない場合には年金自体が受け取れないため、年金分割による年金についても受け取ることはできません。


年金分割の方法は2通りあります

① 合意分割

夫婦の話し合いとその合意によって分割する年金の割合(=按分割合)を決める方法を合意分割といいます。分割の対象となるのは結婚期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)であり、按分割合の上限は0.5(1/2)とされています。

実際には任意の話し合いによる合意で96%以上、裁判所の判断により定められた場合では99%がこの0.5の按分割合での分割となっています。なお、共働きなどで夫婦それぞれに対象となる厚生年金記録がある場合、受給額の多い方から少ない方へ分割します。


② 3号分割

配偶者の一方が国民年金の「第3号被保険者」(配偶者の扶養に入っていた場合)であれば、この制度が始まった平成20年4月1日以降の厚生年金記録を0.5の按分割合で相手の合意なしに分割することができます。ただし平成20年3月までの厚生年金記録についても分割が必要な場合には、合意分割によることとなります。


年金分割を受けるために気をつけるポイント

実際に年金の分割をするには、按分割合が夫婦の合意かまたは裁判所による決定で決まった後、住所地を管轄している年金事務所で請求を行わなければなりません。3号分割の場合もこの請求はしなければなりません。按分割合が決まったことに安心して、手続きを忘れてしまうことのないようにしましょう。

分割の請求をする際に必要となるもの

  • 標準報酬改定請求書(年金事務所で取得できます)
  • 公正証書や判決書謄本など、年金分割の按分割合が明らかになる書類
  • 請求者の年金手帳、国民年金手帳、基礎年金番号通知書のいずれか
  • 戸籍謄本や戸籍抄本など、結婚の期間を明らかにする書類(事実婚であった場合)その関係を明らかにする書類としての住民票

分割の請求ができる期間

年金分割請求手続きは離婚後2年以内に年金事務所において年金分割の請求ができる期間は、原則として「離婚が成立した翌日から2年」とされています。

ただしこの期間には例外もあり、相手が死亡した場合には「死亡から1カ月」に短縮され、離婚成立から2年以内に調停の申し立てをした場合には「調停成立または審判確定から1カ月」に延長されます。

どの場合にしろ、期限を過ぎてしまうと年金分割の請求ができなくなってしまうため、必ず期限内に請求を行うようにしましょう。


年金分割制度を利用する際には専門家に相談ください!

年金分割は専門家にご相談ください高齢化が進み熟年離婚も増えてきている中で、老後のことを考えると、この制度を正しく理解し、活用していくことはとても重要なことです。

そうはいっても年金制度自体も仕組みが複雑で、専門的な知識がなければそれも難しくなります。そこで活用したいのが専門家によるサポートです。

当事務所では年金分割に関する手続きを含めた離婚手続き全体をトータルでサポートすることができますので、離婚を考え始めた段階からあなたの力となることができます。

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